こんにちは、Yohです。
多くのイーサリアム(Ethereum)やソラナ(Solana)をはじめ、クリプトの世界には数多くのブロックチェーンがひしめき合ってます。
この群雄割拠の中、次世代のWeb3インフラとして名乗りを上げたのが、スイ(SUI / Sui)。
これまでのどのブロックチェーンも圧倒する性能の高さから、DeFiを中心に徐々に注目を集め、2024年秋頃から時価総額を一気に伸ばしています(記事執筆時点ではCoinMarketCapで21位)。
そんなSuiですが、先日Suiの財団(Sui Foundation)が管理するDeepBookというプロジェクトから、DeFiの要としてDEEPというトークンがローンチされました。
こちらもSui関連銘柄とあって、SNSでもかなりの注目を集めています。
しかし、DEEPが一体何なのか、イマイチ良くわかっていない人も多いハズ。
DEEPって本当に期待できるの?
そこで今回は、DEEPをベースにSui DeFiで機能するインフラ「DeepBook」についてわかりやすく解説します。
- DeepBookとは何か
- DEEPトークンの役割
- DEEPトークンの将来性・買い方
DEEPについて知ることでSuiへの理解も深まるはずです。
この記事は特定銘柄への投資を推奨するものではありません。
暗号資産(仮想通貨)の価格は日々変動しているため、売買するタイミングによっては損失が生じる場合があります。
取引の際は自己責任でお願いします。
DEEPは、日本人が使える海外取引所としては最大級であるBybitで買うことができます。
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DeepBookとは
DeepBook=注文板
DeepBookは、Sui Foundationが所有・管理しているプロジェクトで、Sui DeFiにおける指値注文台帳(Central Limit Order Book、略してCLOB)のこと。
Suiの各DeFiプロトコルにおける注文を一元管理する台帳(オーダーブック)です。
株式市場や取引所でよく見る「注文板」をイメージするとわかりやすいでしょう。
DeepBookはオープンソースになっているため、SuiでDeFiプロトコルを開発したい人なら誰でも導入できます。
2023年7月にローンチしていて、現在はCetusやAftermath、Turbosなど、Suiチェーンにおける多くのDEXで実装されています。
DeepBookとAMM(自動マーケットメイカー)との違い
DeepBookは、もしかしたら普通の人からすると、あまり目新しさがないかもしれません。
むしろ一般的な仕組みだよね…
ですが、DeFiの世界だと意外に普通ではないという事情があります。
通常のDeFiでは自動マーケットメイカー(Automated Market Maker、略してAMM)という仕組みが採用されています。
AMMとは、スマートコントラクトを使った次のような仕組みです。
- 流動性プールに流動性提供者がトークンを提供する。
- トークンを売買したい人は、流動性プールを経由して、欲しいトークンを得る(スワップ)。
- 流動性提供者は、取引手数料の一部を報酬として得る。
AMMは、DeepBookのようなオーダーブック方式と異なり、「流動性が小さい(市場参加者が少ない)場合でも機能しやすい」ことや「(指値の設定をはじめとする)大量のトランザクションを処理しなくても済む」というメリットがあります。
だから、AMMの方がよく採用されてるんだね。
なぜSuiはDeepBookを作ったのでしょうか?
それは「Sui(のDeFi)がそれに足るプラットフォーム」だからだと考えられます。
Suiが億単位のユーザーを見据え、ズバ抜けた処理能力を持っていることは以前にも解説しました。
取引のしやすさから、DeFiユーザーは時間とともにどんどん増えるでしょう。
流動性は確保されますから、そうなるとユーザーとしては、需要と供給を直接マッチングしてくれるオーダーブック方式の方が魅力的です。
そしてSuiは、多くのトランザクション処理が求められるオーダーブック方式にも耐えられる地力があります。
…こう考えると、DeepBookのような仕組みが必要になるのもうなずけますね。
DeepBookの仕組みを体験してみよう
では、DeepBookがどんな感じで機能しているのか、SuiのトップDEXであるCetusを例に見てみましょう。
Cetusを開いてウォレットを接続し、「Limit」というタブを選択。
すると、次のような画面になります。
【入力項目】
- スワップ元とスワップ先の銘柄・数量
- スワップ先の銘柄を、スワップ元の銘柄建てでいくらで買いたいか(「Market」をタップすると現在の価格で設定される)
- 指値の有効期限(最長1ヶ月まで)
取引所と同じ要領で注文内容を設定したら、「Place Limit Order」をタップ。
内容を確認して、「Place Order」をタップ。
ウォレットが起動してトランザクションの承認を求められます。
注文をキャンセルすれば返金されますが、一旦先払いになります。
注文の実行後、注文内容は画面下で確認できます。
すべて約定した場合は自動的にウォレットに振り込まれます。
一部約定の場合は「Claim」で手動回収もできます。
Cetusのその他サービスについては以下の記事で解説しています。
DEEPトークンの役割
DeepBookについて理解できたところで、DeepBookによって発行されるDEEPトークン(DEEP)の役割を見ていきます。
DEEPトークン=流動性を生み出すための燃料
DEEPの主な役割は次の3つです。
- DeFiの取引手数料
-
テイカ―(実際に取引をして流動性をtakeする人)とメイカー(トークンを提供して流動性をmakeする人)で得られる恩恵が異なります。
【テイカ―】
DeFiで取引する際の手数料として、DEEPが使われます。
エポック(ステーキング期間の最小単位)を一区切りとして、取引するほど手数料が小さくなっていく設計なので、取引が多いユーザーほどお得になります。
【メイカー】
テイカ―が手数料として支払ったDEEPが、報酬として還元されます。
流動性が低い(メイカーが少ない)場合には報酬も多くなりますが、流動性が高い(メイカーが多い)場合には報酬が小さくなります。
積極的にメイカーとして貢献すれば、より多くのDEEPが稼げるため、これを利用して人工的に取引を作る仮装売買(ウォッシュトレード)が起こる可能性があります。
これを防ぐため、DEEPにはバーン(焼却)機能が備わっています。
- DEEPステーキングによる優遇
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DEEPの一番重要な機能がこれ。
テイカ―・メイカーにおける恩恵は、DEEPを取引プールにステークする(担保にいれる)ことで初めて発生する仕組みになっています。
逆に言えば、DEEPをステーキングしないユーザーは不利になるということです。
Yoh記事執筆時点では、DEEPのステーキングはまだ開始されていません。
追って発表があるみたいです。 - 取引プールのガバナンス
-
DEEPホルダーは、取引プールにDEEPをステークすることで、そのプールのガバナンス(手数料などの設定)を行う権限が得られます。
これらの役割をDEEPが担うことで、ユーザーがDeFiを利用するモチベーションを作ろうというわけです。
DEEPはSui DeFiにおける流動性を生み出すための燃料だと言えますね。
DEEPトークンの供給スケジュールと配分
DEEPトークン(DEEP)は、総発行数量が100億枚、ローンチ(2024年10月14日)での初期供給量が25億枚(25%)となっていて、7年かけてトークンがアンロックされていきます。
ちょうど1年後にクリフ(崖)型のアンロックがあるので注意ですね。
DEEPの配分は次のようになっています。
- 10%:初期エアドロップ(ローンチ時にすべてアンロック)
- 28.43%:コア貢献者への報酬(ローンチ時に1%アンロック)
- 61.57%:エコシステムの成長投資枠(ローンチ時に14%アンロック)
初期供給量は、10 + 1 + 14 = 25%ってことだね。
DEEPトークンの将来性・買い方
DEEPトークンの将来性
DEEPトークン(DEEP)は、特定のDEXトークンではなく、SuiのDeFi全体で機能するトークンです。
DEEPをステークすることで初めてSui DeFiでの恩恵を得ることができ、加えてバーン機能もあるので、Suiのエコシステム(経済圏)が成長するにつれ、自然と需要が増え、インフレ度合いも小さくなっていくことが想定されます。
さらにDeepBookは、Suiだけでなく他のチェーンの流動性プールにもアクセスできるようにすることで、クロスチェーン取引での主要なCLOBになることも目指しています。
したがって、将来的にSui以外のチェーンで需要が生まれる可能性もありそうです。
ちなみにDEEPのローンチ時は、特定のNFT所有者に対して初回エアドロップが行われましたが、第二回エアドロップも企画されているとのこと。
今のうちにSuiのDeFiをお触りしておくと、後でいいことがあるかも(?)しれません。
DEEPトークンの買い方
海外取引所
DEEPトークン(DEEP)は現在、海外取引所で買うことができます。
例えば、このブログでも紹介しているBybitではトークンローンチ当日に上場しています。
引用:Bybit
記事執筆時点では、まだローンチから2週間足らずですが、もし将来性が期待できると思うのであれば、購入を検討してみても良いかもしれません。
SuiのDEX
Cetus・Turbos・HopといったSuiの各DEXでは、すでにDEEPへのスワップができます。
まだ公式発表はありませんが、近いうちにDEEPのステーキングについても案内があるはずです。
DeFi取引におけるインセンティブを狙いたい場合は、今のうちにDEXで調達しておくのもアリですね。
DEEPは各DeFiプロトコルで運用して増やすこともできます。
(例)
- CetusやTurbosのファーム
- Suilendのレンディング
ファーム運用は上級者向けですが、JSC DeFiリーダーのTokuさん(s20081755)がくわしいので、疑問点があれば訊いてみるとよいでしょう。
Suilendについては、JSC会長のしずくちゃん(suisuisuigirl)や同じくJSCメンバーのぽんどさん(ponsdot)から解説が出ているので、ぜひ参考にしてみてください↓
まとめ
- DeepBookはSuiチェーンにおける指値注文台帳(CLOB)であり、DEXでも取引所形式の同じような感覚で取引できる。
- DEEPトークンはSui DeFiにおける健全な流動性を作るための燃料であり、ステーキングによって恩恵が得られる他、バーン機能もある。
- DEEPトークンは、Sui DeFiで機能するため、その成長に伴って需要も増えていくことが期待できる。
- DEEPトークンは、Bybitなどの海外取引所やCetusなどのDEXで売買できる。
DeepBookはSuiのインフラとも言える技術なので、Suiの将来性に期待しているのであれば、DEEPにも期待が持てるのではないでしょうか?
僕も先日、BybitとDEXでそれぞれDEEPを買っちゃいました😋
Bybitで買った分は完全に投資用です。
DEEP自体にSui DeFiでのユーティリティが備わっているので、オンチェーンの分は運用&活用しつつ、ガチホしてみようかなと思ってます✊
DeepBookがこれからDeFiの世界をどのように盛り上げていくのか、今からとても楽しみですね!
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- 【リブラを継ぐ最強L1】スイ(SUI)の特徴・将来性・買い方
- 【Web3を身近にする最新技術】SuiのzkLoginとは
- 【297,000TPSで他を圧倒】Suiの並列処理とは
- 【最強L1の秘訣】Suiの「オブジェクト」について超簡単解説
- 【知識ゼロでもわかる】SuiのMove言語は何がすごいのか
- 【TradePort】SuiチェーンのNFTを買ってみよう
参考文献
【サイト・動画】
- DeepBook
- Whitepaper: DeepBook Token
- Powered by DeepBook: DeFi Protocols Highlight Benefits | Sui Foundation
- The DEEP Token’s Role in DeepBook Governance | Sui Foundation
- Powered by DeepBook: Extending Sui’s Liquidity Layer | Sui Foundation
- スイ財団、Sui上のDeFi構築のためのオーダーブックをローンチ | あたらしい経済
- AMM(自動マーケットメイカー)とは|仕組みやリスクを解説 | CoinPost
- How to Place a Limit Order | Cetus Docs
- ウォッシュトレード(仮装売買) | BINANCE ACADEMY