こんにちは、Yohです。
前回、初心者向けのSUI運用方法として、Scallopレンディングを紹介しました。
Scallopで簡単にDeFiデビューできた!
今回は、Scallopと並んで人気のあるSuiのレンディングプラットフォーム「NAVI」について解説します。
NAVIもScallop同様、DeFi初心者にオススメの運用先です。
- DeFiレンディングのしくみ
- NAVIとは(Scallopとの共通点・違い)
- NAVIの使い方
NAVIも初心者にオススメの運用先です。
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レンディングについておさらい
レンディング=金利がもらえるしくみ
まずは、レンディングのしくみを改めておさらいしておきましょう。
レンディング(Lending)とは、暗号資産を貸し出す(預け入れる)ことで、その額に応じた金利をもらえるしくみのこと。
これは、銀行に日本円を預金しておくと、しばらくして(ごく少額ですが)利子がつくのと全く同じ話です。
レンディングとステーキングはどちらも金利がもらえるという点では同じですが、そのプロセスが異なります。
- レンディング(Lending)
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暗号資産をプラットフォーム(DeFiプロトコルともいいます)に預け入れておくと、プラットフォームがそれを別のユーザーに貸し出すなどして運用します。
結果として得られる利益の一部が、貸し出したユーザーに利子として与えられます。
- ステーキング(Staking)
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これはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)という取引承認のしくみを利用したもの。
SuiのようにPoSを採用しているブロックチェーンでは、バリデータと呼ばれる人達が暗号資産(SuiならSUI)を報酬として、取引の承認を行ってくれています。
ただし、バリデータになるには条件があり、ブロックチェーン上に一定額以上の暗号資産を担保する(=ステークする)必要があります。
こうすることで、責任を持って取引を処理する人だけが参加できるようにしているわけです。
なので、例えば取引所で提供されているステーキングサービスは、顧客から預かった暗号資産を担保に、間接的にPoSに参加し、バリデータから得た報酬の一部を顧客に分配しているものと考えられます。
レンディングによる報酬は、所得扱いとして課税対象となる場合があります。
DeFiレンディングの特徴
暗号資産のレンディングには大きく分けて2種類あり、取引所を経由して貸し出す場合とWeb3プラットフォームを経由して貸し出す場合があります。
前者は中央管理者がいるので「CeFi(Centralized Finance)」、後者は中央管理者がいないため「DeFi(Decentralized Finance)」に分類されます。
今回解説するNAVIレンディングもDeFiになります。
DeFiでは、スマートコントラクトを使うことで取引がプログラムにしたがい自動で行われるため、人件費がかからず24時間365日取引できます。
このような背景もあり、DeFiレンディングはCeFiレンディングよりも高い利回りで暗号資産を運用できるという魅力があります。
一方、プラットフォームがハッキングされてしまった場合、預けた資産がすべてなくなってしまう可能性もあります。
管理者もいないので、損害を保証してくれる人もいません。
このように、DeFiレンディングはCeFiレンディングよりもリスクが高いということは覚えておきましょう。
DeFiレンディングは通常ハイリスク・ハイリターン。
NAVIとは
NAVIの概要
NAVIはDeFiプロトコルの1つですが、次のような特長から、比較的信頼して使うことができるプラットフォームだと言えます。
NAVIはSuiチェーンで一番人気のレンディングプラットフォーム
引用:DeFiLlama
NAVIはSui最大級のレンディングプラットフォームで、TVL(預かり資産額)は2024年5月18日時点で1.6億ドルと、トップに君臨しています。
TVLが大きい=多くの人が多くの資産を預けているということであり、その人気ぶりがうかがえます。
NAVIでは高利回りで運用できる
NAVIでは、暗号資産を預けることで、高い利回りで運用できます。
例えば、2024年10月時点で、USDCを預けた場合の利回りは、約14.7%。
通常の銀行だと法定通貨の利回りは1%にも満たないので、その差は歴然です。
これぞDeFiの力✨
NAVIにはMysten Labsが出資
引用:NAVI
NAVIは多くの企業から出資を受けていますが、特にSuiの開発企業であるMysten Labsから出資を受けています。
このことから、NAVIはSuiの中でも公式に認められているDeFiプロトコルであることがわかります。
NAVIは監査を受けている
引用:NAVI
NAVIにおいてもう一つ注目したいのが、第三者機関(OtterSec, MoveBit)による監査を受けているということ。
不正などへの対策もしっかり行われているので、ある程度安心感を持って使えるのではないでしょうか?
NAVIは日本語にも対応
NAVIは日本人でも使いやすいという特長があります。
DeFiプロトコルは開発元が海外であることが多く、基本的にアプリも英語で作られているのが普通。
一方、NAVIは2024年9月から日本語への対応も開始。
引用:2024/09/10 NAVI Protocolのポスト | X
英語が苦手な人でも、操作を誤ったりすることなく、安心して使うことができます。
NAVIとScallopの違い
今挙げた特長はScallopとだいたい共通していますが、Scallopとの違いもいくつかあります。
NAVIでは報酬がvSUIでもらえる
引用:NAVI
NAVIとScallopの違い1つ目が、vSUIというリキッドステーキングトークン(LST)で報酬がもらえる点。
リキッドステーキングトークン(LST)とは、ステーキングプロトコルに暗号資産を預けることで発行されるトークンのこと。
通常、ステーキングを行うと、その間は預けた資産がロックされて引き出せないため、その他の資産運用はできません。
しかし、特定のステーキングプロトコルでは、ステーキングと同時に預けた資産と価格が連動したトークンである「リキッドステーキングトークン(LST)」が発行され、それを他のDeFiプロトコルで運用することができます。
SUIの代表的なLSTであるhaSUI・afSUI・vSUIについては、以下の記事で解説しています。
もらったvSUIは、SUIと同じ価値を持ちながらもSUIとは異なるトークンとして、NAVIなどのDeFiプロトコルで運用できます。
NAVIはvSUIを発行するステーキングプロトコル「Volo」を傘下にもつので、vSUIの運用が優遇されています。
独自トークン「NAVX」
NAVIとScallopの違い2つ目は、発行されている独自トークンの種類。
ScallopではSCAというトークンが発行されていますが、NAVIではNAVXというトークンが発行されています。
NAVIで特定の取引(vSUIのレンディングなど)を行うと、報酬として同時にNAVXをもらうことができます。
現状でのユーティリティはあまりないですが、NAVI内で借入用担保として扱うことができる他、Bybit・Bitget・MEXCといった海外取引所で売買することもできます。
NAVIでは貸出プールと担保プールが共通
NAVIとScallopのもう一つの違いが、貸出プールと担保プールが共通であること。
Scallopでは、貸出をして運用している資産と借入を行う時に担保とする資産は別々に預ける必要があります。
一方、NAVIではこれらが共通になっているので、貸出と借入を同時に行うことができます。
借入は、さらなる報酬がねらえる一方、清算される(担保が没収される)リスクもある上級者向けの運用法ですが、そういった運用にチャレンジしたい人にとっても、NAVIはとても使いやすいプラットフォームだと言えるでしょう。
NAVIは初心者から上級者まで対応したプラットフォーム。
NAVIとScallopのどちらを使うべき?
ここまで、NAVIとScallopの共通点・相違点を見てきましたが、一体どちらを使うのが良いのでしょうか?
僕の意見では、もし可能なら両方使うべきだと思います。
理由は次の2つ↓
- 利回りの変動対策
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1つ目が、利回りの変動対策。
NAVIもScallopも高利回りなのは確かですが、利回りは常に変動しています。
そのため、両方に預けておけば「今はNAVI(Scallop)の利回りが低いけど、Scallop(NAVI)の利回りは高い」といった状況でも、その影響を受けにくくできます。
- ハッキングなどのリスク対策
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2つ目は、ハッキングなどリスク対策。
Suiは他のチェーンに比べて安全だとされていますが、将来的に何が起こるかはわかりません。
NAVIやScallopがハッキングやメンテナンストラブルなどに見舞われた場合、一方に預けている資産が戻ってこない可能性があります。
そのような場合も、両方のプロトコルに資金を分散させておけば、運用している資金をすべて失ってしまうリスクを減らせるでしょう。
少額の運用であれば、どちらか一方のみでレンディングすればよいと思いますが、ある程度まとまった額を運用したいのであれば、ぜひ両方とも使ってみることをオススメします。
NAVIレンディングを行う方法
ここからは、NAVIでレンディングを行う方法を、実際の画像で解説します。
SUIウォレットに必要量のSUI(またはその他NAVI対応銘柄)が入っている状態から解説します。
まだ準備ができていない方は、以下の記事から始めてみましょう。
【SUIを買う】
【SUIウォレットを作る】
【ウォレットにSUIを送金する】
NAVIの日本語対応に伴い、サイトの仕様が記事執筆時点(2024年5月)と比べて一部変更されました。
資産の預入・引出についてはあまり変わっていませんが、報酬の受け取りなど、大きく変わった点については修正・加筆を行っています。
ウォレットをNAVIに接続
まずはウォレットをNAVIに接続します。
Sui Walletを開いたら、「Apps」タブをクリック。
「DeFi」タブからNAVIを選択。
NAVIが開きます。
右上の「Connect Wallet」をクリック。
「Sui Wallet」を選択。
NAVIへの接続を求められるので、接続先がapp.naviprotocol.ioであることを確認して「Connect」をクリック。
接続先を確認するようにしておくと、ハッキング対策にもなります。
右上にウォレットアドレスが表示されたら、接続完了です。
保有している資産をレンディングする
ウォレットにかかわらず基本的なやり方は同じなので、ここではSurf(Sui Wallet Mobile)で行う場合を紹介します。
銘柄選択のプルダウンをタップ。
レンディングしたい銘柄を選びます(今回はSUI)。
銘柄を選んだら下にスクロールして、「Supply」タブになっていることを確認。
「Amount」の欄に、供給したいSUIの数量を入力します。
この後ガス代(手数料)がかかるので、持っているSUI全量を供給することはできないことに注意。
数量を入力したら、「Supply SUI」をタップ。
ウォレットが起動するので、内容を確認して「Approve」をタップ。
しばらくすると、供給が完了します。
レンディングの状況は「貸出」タブで確認できます。
あとは放置しておけばOK。
レンディング報酬(金利)をもらう
供給を行ってからしばらくすると報酬(金利)を受け取ることができます。
「ダッシュボード」タブを選択して下にスクロールすると、請求可能な報酬額が表示されています。
「請求して再供給」を選んだ場合は報酬を受け取らずにそのまま再投資、「全報酬を請求する」を選んだ場合は報酬をウォレットに引き出すことができます。
好きな方を選んで実行してください。
いずれかを選択するとそのままウォレットが起動して承認を求められます。
供給しているSUIを引き出す
供給しているSUIを引き出したい場合は次の手順で行います。
「Dashboard」画面で、銘柄にSUIを選んでいること、「Supply」タブを選択していることを確認。
下にスクロールして「Withdraw」をタップ。
「Amount」の欄に、引き出したいSUIの数量を入力。
数量が入力できたら、「Withdraw SUI」をタップ。
ウォレットが起動するので、内容を確認して「Approve」をタップ。
しばらくすると、引き出しが完了します。
ちゃんとウォレット内のSUIが増えているか確認しよう。
DeFiプロトコルへの資産の預入には、ハッキングなどのリスクがあります。
取引の際は自己責任でお願いします。
まとめ
- レンディングは、暗号資産を貸し出すと金利がもらえるしくみ。
- NAVIでレンディングすると高い利回りで運用できる。
- NAVIの場合は「vSUIで報酬がもらえる」、「独自トークン(NAVX)がある」、「貸出プールと担保プールが共通している」といった特徴がある。
- NAVIとScallopを併用するのがオススメ。
NAVIは、Scallopと異なる部分もありますが、レンディングが簡単にできる点や高い利回りで運用できる点、安心して使いやすい点は同じです。
これからSuiのDeFiを始めてみたいのであれば、運用先の1つとして、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
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参考文献
【書籍】
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- 最新 いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン (大塚雄介 / ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2021)
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