こんにちは、Yohです。
【NFTを買おう】のカテゴリーで、NFTの購入準備として、取引所でイーサリアム(ETH)を買う方法を解説しました。
ただ、ここで次のような疑問を持つ方もいるかもしれません。
NFTを買うのにどうして暗号資産を用意しないといけないの?
特に、NFTを初めて買う方の中には、暗号資産を買わないといけないとわかって不安になる方も多いはず。
実はこの疑問、「イーサリアム」と「NFTが発行される仕組み」を理解することで納得できます。
初心者でもわかるようにかみ砕いて解説するので、いっしょに暗号資産・NFTへの理解を深め、おだやかな心でNFTを買えるようになりましょう。
- イーサリアム(ETH)とはどんな暗号資産なのか
- NFTを買うのに暗号資産(イーサリアム)が必要な理由
- イーサリアムの入手方法
恐れは「無知」から生まれます。理解すれば恐れも吹き飛ぶ!
イーサリアム(ETH)とは
まずイーサリアム(ETH)とは何なのかを理解しておきましょう。
イーサリアムは数ある「ブロックチェーン」の1つ
ブロックチェーンとは、データ(取引履歴)を多数のコンピュータで管理するしくみのことです。
改ざんが困難な方法でデータが記録されることに加え、1つのコンピュータではなく複数のコンピュータでデータが管理されるため、安全性・透明性が高い技術として知られています。
そして、このブロックチェーン上で発行される「お金に相当するデータ」がいわゆる暗号資産(仮想通貨)と呼ばれるものです。
ブロックチェーンには種類がたくさんあり、ブロックチェーンの始祖であるビットコインや今回紹介するイーサリアム、そのライバルとして注目されるソラナなどがそれにあたります。
ビットコインから始まったブロックチェーンの技術をお金(暗号資産)以外にも広く応用しようと、2013年にヴィタリック・ブテリンによって考案されたのがイーサリアムでした。
「イーサリアム」と言った時、文脈によってブロックチェーンそのものを指す場合と暗号資産のETH(イーサ)を指す場合があります。
イーサリアムの特徴
イーサリアムには次のような3つの特徴があります。
分散型アプリケーション(DApps)を開発できる
これはビットコインとの比較でよく挙げられる特徴の1つです。
先ほど説明したように、イーサリアムはブロックチェーン技術をお金以外にも応用させるために作られました。
そのため、イーサリアムはプログラミングを使った様々なアプリ開発がしやすいよう設計されています。
アプリ開発には誰でも参加することができるため、イーサリアムのブロックチェーンで開発されるアプリは分散型アプリケーション(DApps)と呼ばれます。
スマートコントラクト機能を備えている
イーサリアムにはスマートコントラクト(smart contract)という機能が備わっています。
スマートコントラクト機能はその名の通り、条件を満たすと自動で契約(取引)を実行してくれるしくみのことです。
スマートコントラクトはよく自動販売機に例えられます。
自動販売機は、1. お金を入れる、2. ボタンを押す、という2つの条件が満たされることで自動的に商品が出てきます。
この原理はまさにスマートコントラクトそのものであり、これによってイーサリアムのブロックチェーン上で様々なサービスを作ることができます。
取引の検証・承認方法(コンセンサスアルゴリズム)が環境に優しい
ブロックチェーン上で欠かせないのが、行われる取引が正しいか検証して承認する人の存在(バリデーター)。
バリデーターは、取引の検証・承認に必要な計算を行い、正しく計算したことに対する報酬として暗号資産をもらうことができます。
ここで、イーサリアムとビットコインとで大きく異なるのが、取引の検証・承認方法(コンセンサスアルゴリズム)です。
もともとビットコインとイーサリアムはPoW(Proof of Work)という方法を使っていました。
これは、1つの取引に対して、バリデーターがいっせいに計算を行い、一番早く計算できた人に暗号資産が与えられるという方法です。
しかしこの方法は、一位の人以外の計算がすべて無駄になるため、コンピュータの消費電力がとても大きく、地球環境に悪いとされています。
そこで、イーサリアムは2022年9月にアップデート(The Merge)を行い、PoS(Proof of Stake)という方法に変更。
この方法では、バリデーターをランダムに選んで計算させて報酬を与えるので、無駄な計算が発生しません。
そのためイーサリアムは、ビットコインに比べて環境に優しいブロックチェーンとなりました。
PoSではバリデーターがランダムに選ばれますが、それで本当に正しく計算ができるのでしょうか?
実は、PoSでバリデーターに立候補するためには、一定額以上の暗号資産を担保(stake)しなければなりません。
また、担保している暗号資産が多いほど、バリデーターに選ばれる確率も上がります。
これがProof of Stakeの名前の理由であり、こうして正しく計算できるバリデーターが選ばれるようになっています。
イーサリアムの強み・弱み
イーサリアムの強み・弱みは次のように分けられます。
強み1:精力的に開発されている
「継続的に開発されているか」はブロックチェーンの価値を決める上でとても重要です。
先ほど解説したThe Mergeを始め、イーサリアムは多くの人によって精力的に開発されており、定期的なアップデートでより優れたブロックチェーンへと進化しています。
今後ますます使いやすいブロックチェーンになることは間違いないでしょう。
強み2:暗号資産における時価総額2位
イーサリアムの大きな強みが取引量の多さ。
イーサリアムは、DAppsなどにおける汎用性の高さや継続的な開発、技術としての将来性が評価され、専用通貨ETH(イーサ)の時価総額は、今やビットコイン(BTC)についで2位(アルトコインでは1位)となっています。
Web3時代のメインプラットフォームとなることは確実です。
弱み1:ガス代(取引手数料)が高い
イーサリアムの欠点としてよく挙げられるのが、ガス代の高さです。
ガス代とは、ブロックチェーン上で取引を行う際にかかる手数料のこと。
NFTの購入を例にすると、取引量が多い時間帯では1回の取引で数千円のガス代がかかることもあります。
弱み2:スケーラビリティ問題
イーサリアムがかかえる問題の1つがスケーラビリティです。
近年、イーサリアムはその人気ゆえに、取引量がどんどん増えています。
しかし一方で、取引量の多さにブロックチェーンの処理能力が追いつかなくなってきているという問題があります。これがスケーラビリティ問題と呼ばれるものです。
最近では、イーサリアムの課題(ガス代・スケーラビリティ)を解決するため、イーサリアムブロックチェーン上のタスクを一部サポートしてくれるといった、新しいブロックチェーンも登場してきています。
Polygon(MATIC)はその代表例です。
NFTの購入にイーサリアムを使う理由
イーサリアムのことが大体わかったところで、「なぜNFTを買うのにイーサリアム(ETH)が必要なのか」について見ていきましょう。
NFTはイーサリアムブロックチェーン上で発行される
イーサリアムのブロックチェーン上ではETH(イーサ)に加えてもう1種類発行できるデータがあります。
それがNFT(Non-Fungible-Token, 非代替性トークン)です。
過去の記事でも解説していますが、NFTに同じものは1つとしてなく、分割することもできない「唯一無二のデータ」です。
イーサリアムのブロックチェーンでNFTが作られた場合、そのNFTの取引履歴もまたイーサリアムのブロックチェーン上に記録されていきます。
つまり、NFTの売買履歴はイーサリアムのブロックチェーン上で管理されるということです。
これは逆に言えば、NFTを売買するためには、イーサリアムのブロックチェーンに記録できる取引でなくてはならないということになります。
したがって、イーサリアムのブロックチェーンで発行されたNFTは、同じくイーサリアムのブロックチェーンで発行された通貨=ETHでしか買うことができないということなのです。
最近では、Pieのようにクレジットカード(日本円)でNFTを買うことができるサービスも登場しています。
こうしたサービスでは、一見イーサ(ETH)を買うというステップはないように見えますが、「イーサ(ETH)でNFTを購入する」というブロックチェーン上での取引をPie側が代わりに行ってくれています。
イーサリアムの強みがNFT発行のモチベーションに
イーサリアム以外のブロックチェーンでも暗号資産とNFTの両方を発行できますが、なぜNFTはイーサリアムのブロックチェーンで発行されることが多いのでしょうか?
これには2つ理由があります。
ビットコインではNFTが発行できなかった
暗号資産でもっとも人気があるのはビットコインですが、実はつい最近まで、ビットコインのブロックチェーンではNFTを作ることはできませんでした。
これが1つ目の理由です。
2023年1月のアップデートでようやくビットコインでもNFTが発行できるようになり、Ordinal NFTと呼ばれています。
ただし、Ordinal NFTはまだまだ新しいNFTですから、普及するまでにはしばらく時間がかかるでしょう。
イーサリアムの取引量はアルトコインNo.1
ビットコイン以外の暗号資産をアルトコインと言いますが、イーサリアムはアルトコインの中でも歴史が古く、しっかりと開発が進められてきた暗号資産です。
スマートコントラクトという便利な機能を備え、その将来性からアルトコインの中では時価総額トップと取引量も十分。
NFTを売買するなら市場に参加する人が多い(=取引量が多い)方が儲かりますから、NFTの発行も必然的にイーサリアムのブロックチェーンが採用されるというわけです。
NFTの購入に必要なイーサリアム(ETH)を入手する方法
NFTの購入にイーサリアム(ETH)が必要な理由がわかったところで、ここからはETHの入手方法について解説します。
暗号資産取引所で買う
ETHを手に入れるための一番シンプルな方法は、暗号資産取引所で購入することです。
当サイトでは、NFT初心者向けの国内取引所として、GMOコイン・bitbankをオススメしています。
GMOコインの公式サイトはこちら口座開設方法は以下の記事で解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
レンディング(Lending)
2つ目の方法は、レンディング(Lending)。
その名の通り、暗号資産取引所に暗号資産を貸し出すことで金利をもらうサービスです。
一気にETHを増やすとは行きませんが、寝かせてあるETHをレンディングすれば、ETHからETHを生み出すことができます。
当サイトでオススメしているGMOコインやbitbankでもサービス提供されています。興味がある方はチェックしてみましょう。
ステーキング(Staking)
ステーキング(Staking)はイーサリアムが採用しているコンセンサスアルゴリズム(PoS)を利用した方法です。
PoSでバリデータとなるためには一定額以上のETH(32ETH~)を担保にする必要があります。
そのため、一部の暗号資産取引所では、必要な資金をユーザーに出資してもらい、代わりに報酬がもらえるというサービスを提供しています。
利率はレンディングに劣るものの、レンディングとは異なり、ステーキング中でも暗号資産を自由に引き出したり売買したりでき、柔軟な対応もできるのが魅力です。
国内でイーサリアムのステーキングを提供している取引所は多くないですが、BITPOINTであれば手数料無料でステーキングができます。
イーサ(ETH)をはじめとする暗号資産やNFTは、日々価格が変動するため、売買するタイミングによっては損失が生じるリスクがあります。
取引の際は、自己責任でお願いします。
まとめ
- イーサリアムは開発に特化したブロックチェーンで、DApps開発ができる他、スマートコントラクト機能を備えている。
- 取引履歴はブロックチェーン上に記録されるため、イーサリアムで発行されたNFTを売買するには、同じくイーサリアムで発行された通貨ETHを使う必要がある。
- イーサリアム(ETH)はビットコイン(BTC)についで取引量が多く、NFTの発行も盛ん。
- ETHを入手する方法としては、暗号資産取引所での購入・レンディング・ステーキングがある。
「イーサリアム(ETH)を買い、そのイーサリアムでNFTを買う」というのはもちろん正しいですが、イーサリアムのことがしっかり理解できていた方が、もっと腰をすえてNFTを楽しむことができます。
この記事をくり返し読んで、イーサリアム・NFTへの理解をぜひ深めてください。
最後に参考文献をのせておきますので、気になるワードは改めて自分でも調べてみましょう。
参考文献
【書籍】
- 図解ポケット 次世代プラットフォーム イーサリアムがよくわかる本 | 廣田章, 松村雄太 / 秀和システム / 2022
- ブロックチェーンのしくみと開発がしっかりわかる教科書 | コンセンサス・ベイス株式会社 / 技術評論社 / 2019
【動画・サイト】